過去最高と言われている有効求人倍率。現在最新の調査では「1.28倍」という水準です。
※【追記 2017年6月】
17年5月の有効求人倍率「1.49倍」バブル期超え。43年3ヶ月ぶり
※厚生労働省調べ 一般職業紹介状況(平成29年3月分及び平成28年度分)について
2017年6月に有効求人倍率がさらに伸び「1.45倍」という超高水準であることがわかりました。
こちらどのくらいすごいかというと日経平均が最近「2万超え」を久々にしたというニュースがありましたが、バブル期(1986年〜1992年)はその倍近い「4万円間近」という時代よりも高い水準です。
日本中が好景気にわいていたバブル期を超える有効求人倍率ということで、その当時よりも雇用状態はいい状態になっているということなので、転職者側に有利な「超売り手市場」ということです。
※【追記 2017年7月】
2017年7月に発表された有効求人倍率は、バブル期超えの前月4月をさらに上回り「1.49倍」という超高水準を維持しつつ、さらにあがっていることがわかりました。
今回の発表で失業率の上昇について指摘があり 男性が前月比0.3ポイント上昇の「3.2%」で女性も0.3ポイント上昇の「2.9%」となっております。
ただこれについては活況な転職市場に対して、普段転職を考えない人たちも流れ込んでいる可能性があるという話もあり、人材の流動性という観点からは非常にいい状態に移行しつつあります。
有効求人倍率が高い職種5選
ただ、この有効求人倍率はすべての職種・業種を足したうえでの均した数値になるため人によっては、もっと有効求人倍率が高い水準になっていて転職しやすい環境の人もいれば、過去数値よりも上向いているもののいまだ有効求人倍率が「1倍」を切っており、転職しにくい人もいるでしょう。
今日は業種や職種別で有効求人倍率が高いものを厳選してピックアップいたしました。
・有効求人1,406,242件
・有効求人倍率1.11 (前年比+0.11ポイント)
※参照 一般職業紹介状況(平成28年2月分)について
専門的・技術的職業「有効求人倍率1.97倍」
この分野は医師・薬剤師をはじめとする一般的に免許が必要な職業のグルーピングになっており、異業種からの転職がほぼ無理など参入障壁の高い求人になるため全体的に「求人>求職者」といった形で常に人が不足している状態の可能性が高い。
有効求人数は「345,773件」で有効求人倍率は1.97倍と数のボリュームもあり、高水準の有効求人倍率となっているが、前年比では全体平均とほぼ同じな+0.14ポイント。
中でも有効求人倍率がさらに高めなのが以下のような職業になる。
有効求人数66,978件 有効求人倍率2.35倍(前年比0.24 )
有効求人数64,848件 有効求人倍率2.94倍(前年比-0.10)
有効求人数50,246件 有効求人倍率4.71倍(前年比0.48)
有効求人数48,287件 有効求人倍率2.47倍(前年比0.25 )
有効求人数24,691 件 有効求人倍率 3.20倍(前年比0.08)
有効求人数18,105件 有効求人倍率 2.00倍(前年比0.08)
販売関連の職業「有効求人倍率1.45倍」
このグループには皆さんもおなじみの「営業職」も含まれます。
かなり一般的なグループになるのでこの辺りが皆さんの肌感にあってくるのではないでしょうか。以下の通り、商品販売の職業にカテゴライズされているものが多いからか、83,000超えとかなりの求人数があることがわかる、営業職とほぼ同数となるとアパレルなどのショップ店員もこのカテゴライズになっている可能性がある。
営業職は1.33倍で前年比でも+0.18全体平均から見ても現在の水準及び伸び率ともに優秀な数値であることから、この高い有効求人倍率となっている世の中で営業職というのはかなり重宝されている傾向がある。
有効求人数は「172,432件」で有効求人倍率は1.45倍と専門職に劣るが数のボリュームもあり、平均値以上の有効求人倍率となっており、前年比でも+0.32ポイントという形で全体平均の倍以上の伸び率となっている。
中でも有効求人倍率がさらに高めなのが以下のような職業になる。
有効求人数83,077件 有効求人倍率1.53倍 (前年比0.32 )
有効求人数82,991件 有効求人倍率 1.33倍(前年比0.18)
有効求人数6,364 件 有効求人倍率 2.90倍(前年比0.48)
サービス関連の職業「有効求人倍率2.23倍」
このサービス関連には飲食店系の職業や介護職などが含まれており、割と有効求人倍率が上がったのはこの分野で人が足りてないからではと言われています。
たしかに有効求人倍率2.23倍とかなりの高水準ではあるが、今回調べた際の総求人数に対する割合は「19.8%」なので調べてみた印象ではそこまでこの分野に求人が集まっている印象は受けない。
有効求人数は「279,825件」で有効求人倍率は2.23倍で、前年比でも+0.38ポイントという形ですでに高水準の有効求人倍率であるのにもかかわらず、+0.38は引き続き人材不足が顕著な分野であることがわかる。
中でも有効求人倍率がさらに高めなのが以下のような職業になる。
有効求人数104,261件 有効求人倍率2.24倍 (前年比0.30)
有効求人数64,285件 有効求人倍率 2.44倍(前年比0.52 )
有効求人数53,495件 有効求人倍率 2.59倍(前年比0.57)
介護サービスよりも飲食物調理の職業が前年比で伸び率が高いことから「グルメ」に関する職業についている人は非常に動きやすいいのではないでしょうか。
輸送・機械運転関連の職業「有効求人倍率1.86倍」
その名の通り、運送業に従事している人たちのグルーピングになる。
オンラインコマース全盛期の今の世の中で、便利さを下支えしているのがこの職業カテゴリであることから、非常に求人が多い傾向にあるのも頷けます。
とくに今まで輸送業を営んでいなかった企業が新たに自社で輸送を担うケースが出てきていることからもこの分野の未来は明るいのではと思います。
有効求人数は「95,778件」で有効求人倍率は1.86倍で、前年比でも+0.15ポイントという形で前年比での成長率は平均値であることから、人材不足の状況も若干緩和されつつある傾向なのではないでしょうか。
このグルーピングの大部分を占めていて有効求人倍率が高めなのが以下のような職業になる。
有効求人数78,046件 有効求人倍率2.23倍 (前年比0.20)
建築・採掘関連の職業「有効求人倍率3.20倍」
最後に建築・採掘関連の職業になるが、職業カテゴリ単位の有効求人倍率はずば抜けたTOP。
たしかに不動産価格高騰に伴ったマンション建築などの需要や、東日本大震災の復興に伴った建築ラッシュなどでこの分野はかなり活況なのでこの水準にも違和感がない。
さらに日本は2020年の東京オリンピックを控えており、それに向けたホテル建築やオリンピック関連の建築などもあるので、あと数年はこの状態が維持されるのではと思います。
有効求人数は「90,289件」で有効求人倍率は3.20倍で、前年比でも+0.16ポイントという形で輸送関連と同じく前年比の伸びが市場平均と同じことからも、ここ数年高水準を維持し続けていることがわかる。
中でも有効求人倍率がさらに高めなのが以下のような職業になる。
有効求人数31,911件 有効求人倍率2.93倍 (前年比0.01)
有効求人数25,801件 有効求人倍率 3.29倍(前年比0.32 )
有効求人数16,503件 有効求人倍率 2.59倍(前年比-0.20)
逆に有効求人倍率が下がり気味の職業は
ここまで活況な転職市場を示す有効求人倍率の高い職業を紹介してきましたが、逆に低い職業はどのような職業でしょうか。
事務的職業 有効求人倍率「0.36倍」
事務系の職業はやはり厳しい状況にあるようで、有効求人倍率は0.36倍と平均値の半分以下です。
これは単純に有効求人倍率が低いだけで、事務職は危ないわけではなく事実どこの会社にも管理系の人たちは一定数雇用されており、なくてはならない職業になっております。
要は事務系の職業は単純に「空き」ができにくいので有効求人倍率が低いのではと思います。
運搬・清掃・包装等の職業 「有効求人倍率0.46倍」
ここに関しては求人数が最も少ない職業カテゴリの1つになっており、有効求人倍率も0.46倍とこちらも平均値の半分以下です。
このあたりの職業が少なくなっているというより、今回パート雇用を抜いた調査になっているので、単純に正社員系の雇用形態でこの職業に従事している人が減っている、もしくは雇用形態に変化が出ている可能性があります。
ただ、様々な分野で機械化が進む中で清掃関連でもルンバなどの家庭用掃除ロボットができてきており、生産の現場でも今後さらに機械化が進むため非常に厳しい分野になるのではないでしょうか。
まとめ
転職時に役立つ情報として有効求人倍率の高い職業をピックアップしてみましたが、皆さんの職業はどのくらいだったでしょうか。
個人的にどこかの領域に偏っているわけではなく、全体的に有効求人倍率は高い水準になってきているので、転職者から見て「売り手市場」という状況であることは本当だと思います。
ぜひいい転職活動になればと思います。