35歳転職限界説というのはよく聞くフレーズではないでしょうか。
私自身も34歳でもうまもなく35歳転職限界説の「35歳」になります。
今の仕事でもそこそこキャリアをつめた事で、そろそろステップアップを考えた転職も良いのではないかとふと思う今日この頃です。
ただ世間的に言う35歳転職限界説に尻込みにしているのですが、どうやら最近はその35歳転職も全然あり得るとの噂も聞きました。
今日は35歳で転職が出来るのはどのような人なのかを調べてみました。
直近10年の20代、30代、40代の「転職成功率」推移
※厚生労働省 平成 27 年雇用動向調査結果の概況 – 厚生労働省 引用
※厚生労働省 平成 17 年雇用動向調査結果の概況 – 厚生労働省 引用
上記の1個目は「平成27年度」2個目は「平成17年度」の年齢別の入職率いわゆる「転職成功率」です。
年度 | 20〜24歳 | 25〜29歳 | 30〜34歳 | 35〜39歳 | 40〜44歳 | 45〜49歳 |
平成27年 | 40.2 | 18.8 | 12.3 | 9.3 | 7.9 | 7.7 |
平成17年 | 19.0 | 15.7 | 9.9 | 8.1 | 7.1 | 5.5 |
10年比 | 212% | 120% | 124% | 115% | 111% | 140% |
ここ10年でどの世代も転職成功率が120%近く上がっており、特筆すべきは「30歳〜34歳」の転職成功率です。10年前の「25歳〜29歳」とまでは行かないですが、10%以上の人が転職成功しております。さらに40代後半に関しても10年比「140%」と非常に上がってきております。
このデータからも35歳で転職が出来なくなるという傾向はなく、逆に35歳以降に関してもより転職しやすい環境になってきていることが分かります。
そもそも35歳転職が限界と言われる背景は
さて、35歳転職限界説がなくなりつつあることが分かったかもしれませんが、そもそもなぜ35歳で転職限界と言われているのでしょうか。
理由はいくつかあります。
・20代よりも35歳になると求められるレベルが上がるため。
単純に20代よりも35歳で転職してくる人には求めるレベルが高いため、そのレベルに達していない人などは、この年齢で足切りをされてしまう為、結果的に35歳転職限界説が出てしまうのです。
・35歳では会社になじむ柔軟性が低下している傾向があるため。
当たり前ですが、20代などまだまだ若手のときには自分自身の仕事のやり方や癖などを修正していく事が容易に出来ますが、35歳前後になると様々な経験を経て自分の仕事のやり方や癖などが定着をして、会社にあわせてやり方を変える事が容易ではなくなります。
そうなると場合によっては組織を運営する管理職の人から見ると“使いにくい人”となってしまう可能性があります。
・35歳だと年収が高く条件に合うところが少ない。
これは単純にご自身の要因が大きいですが、個人差はあるものの35歳前後だとそれなりの年収になっている為、その年収を下げてまで転職するのは気が引けると思います。
そうなると転職先企業がいくらその人が欲しくても、その人の現職の年収にあわせたオファーをしなくてはならないので、同レベルの年収が低い人がいる場合、最終的な内定が出にくくなってしまうため結果35歳という年齢による転職限界説が出てしまいます。
35歳で転職できる人はどんなスキル所持者か
そんな中でも35歳で転職できる人は今増えてきています。
ではそのような人が転職しやすくなっているのでしょうか。
基本的には同じ転職中のライバルとなる「若手」をベンチマークすると良いと思いますので、若手にはない「即戦力」としてのスキルです
・マネージメントスキル
35歳前後になって求められるのが「マネージメントスキル」です。
35歳で採用をする際、直後もしくは近い未来に組織の中核となる人として迎えられる可能性が高く、その際に必要となるのは組織をマネージメントする能力です。
ちなみにマネージメントスキルは若手ではあまり持ち合わせてないスキルなので十分アドバンテージになるでしょう。
・所属している業界知識&人脈
これも若手と比較して絶対的に有利に働くのが業界知識とその人脈です。
仕事がら人脈を広げにくい職種だとしても、業界暦が長ければわかる「業界あるある」を豊富に持っていると思いますので、それを武器にすれば35歳での転職も可能となるでしょう。
・プレイヤーとしての高い能力値
転職先で求められる事がどのような事なのかによるのですが、やはり最後は個人プレイヤーとしての高い能力です。
35歳であればそれなりの経験や実績を持っていると思いますので、今まで培ったプレイヤーとしての高い能力を持っている人は35歳でも十分通じるでしょう。
転職先の企業のフェーズにもよりますが、前述の通り「企業の中核メンバー」としての採用となる可能性が高い為、現状を打破できるような個人スキルの高さはやはり重要になるため、35歳という年齢のビハインドも消し去る事が出来るでしょう。
逆に35歳以上が歓迎される会社が増えている!?
逆に今「40歳以上」のミドル層を採用したいという企業が増えている。理由はいくつかあります。
理由① 異業界からの新規参入など「ビジネスの多様化」
路面点をやっていた大手小売店がWEBのEC業界に参入したり、メーカーが金融領域に参入したりとビジネス領域をしぼらずに多方面に展開していく企業が増えてきております。そういった新規参入の場合、社内にスペシャリストがいないため一から組織作りをする必要が出てくるのですが、その際の組織立ち上げメンバーとして40歳以上は非常に重宝されます。
業界の知識や業界内の人脈ももちろんのこと、40歳以上ではマネージメントをする管理職をある程度経験している年代層になるため、一からの組織作りも出来るため、非常に歓迎されています。
理由② 会社規模が急拡大をするベンチャー企業
今も昔もありますが、会社規模が急に大きくなるタイミングで当初は「プレイヤー」としての能力が買われて採用した人たちが、社歴などの関係で不慣れな「マネージャー」としての能力を求められることがあります。そうなると組織が回らなくなることが良くなるため「組織作りが出来る人」の採用が急務となります。
その際、40歳以上というのは前述の通り、ある程度「管理職経験」があるため最適となるのです。
35歳でも転職できそうな業界は
35歳で転職できる人のスキルはわかりましたが、そのスキルを持っていない人や自信のない人でも役立つ事として「業界」区切りでみてみましょう。
※参考記事
・IT業界
IT業界というと非常に範囲が広いのでわかりにくいかもしれませんが、その認識の通りIT業界は今非常に裾野が広く、今までのIT企業と言われている会社も業務範囲をかなり広げておりますし、なによりもこの業界は「ベンチャー企業」などの新しい会社が増えておりますので求人が非常に多いです。
そのためこの業界内での人の動きはかなり頻繁で社歴2〜3年で次の会社にというような人も非常に多いです。加えてそのような人の動きが頻繁なので有能な人材は引っ張りだこです。
35歳だからって必ずしも引っ張りだこになるわけではありませんが、実績値は若手の人よりもありますし、なによりこの業界では35歳転職限界説はほとんどないのではないでしょうか。
・サービス業界
この業界は成長を続けている企業は「慢性的な人材不足」が続いており、その結果中核メンバーが定着しにくく若い組織が多いと思います。
そうなると35歳のベテランとなるとスキル差に関係なく、組織の中核として機能してくれるような人はほとんどの場合引っ張りだこになっているのではないでしょうか。
結果この業界でも35歳転職限界説はないと思います。
・介護業界
サービス業界に入ると思いますが、切り出しても良いほど「慢性的な人材不足」が続いております。
今後より需要が高まっていく業界になる為、国による援助強化だけではなく、慢性的な人材不足を根本的に解決するような技術/アプローチ方法を考えている企業が多く存在します。
たとえば機会による補助で力仕事を極力なくす取り組みをすることや、一部ロボットなどが完全に作業をしてしまうなど様々なものがあると思います。
個人的にはこの分野はどこかのタイミングで技術革新によるブレイクスルーで数年後には全く違った業界になるのではと思っています。
35歳転職限界説がまだ生きてるところは
35歳転職限界説が生きているというより、そもそも転職が難しくなる業種もあります。
1つ目は管理系の職業です。
今はAIなどを駆使してバックヤード系の仕事を機械化する方向性があるため、そもそも求人自体が非常に減ってきております。そのためここの業種に転職をしたい人は求人が出たら「とにかくすぐに応募」をする事をお勧めします。
2つ目は未体験・異業種の転職です。
今ですら有効求人倍率の上昇に伴って数年前よりは未体験・異業種転職の求人が増えておりますが、それは若手など「今後学んでもらえる可能性がある」人などの方が成功する可能性が高いですが、35歳前後になってくるとどうしても難しくなります。
いかがでしょうか。
35歳転職限界説もご自身の状況次第ではほとんど関係がない時代になってきている事がわかったと思います。また最後にお話をした35歳転職限界説が生きている部分もわかったと思います。
ただ、お話しした内容はもちろんこれは本当にその人によるのであくまで一般的な見解ですし、よくも悪くも書いた通りになる訳ではありません。
ぜひご自身の悔いが残らない良い転職活動をしてください!