社会人になると自社、取引先含めて決算をチェックしなければならないと思います。
ただ決算って難しそうでよくわからないから見たくない!という人に朗報です。
決算短信などは数字のみで非常に分かりにくいですが、素人でも決算内容がわかるように「決算資料」というものを作成して、決算発表の説明会などで流したりします。
この決算資料は会社によってフォーマットはバラバラで、かつ各会社の色が非常に出ます。
実はこの決算資料ですが、投資家に決算がわかりやすく伝えるために様々な趣向が凝らしている「一流のプレゼン資料」なんです。
そのため「プレゼン資料としての見せ方」の勉強になるのです。
今日はそんな手本となるような非常に見やすい決算資料をまとめてみつつ、資料の中でも特に自分の資料作成に役に立ちそうな店方をしているページをピックアップしますので、ぜひ参考にしてください。
インターネット業界
株式会社ディー・エヌ・エー 決算資料
※株式会社ディー・エヌ・エー 決算説明会資料 2015年度 決算説明会資料 抜粋
ソーシャルゲームなどのゲーム事業で有名なDeNAですが、こちら非常に見やすいです。
上記のような形で文字ではなく「グラフ」などを多用しており、かつ文字数なども適切な量を使っているため見やすいです。
さらに矢印で今後の方向性を示しつつ、その矢印の要因となる内容をわかりやすく説明しており、これは結構使えそうです。
株式会社サイバーエージェント 決算資料
今日たくさん資料紹介しますが、サイバーエージェントは個人的に飛びぬけて決算資料がわかりやすく、見せ方がうまいです。
自社のカラーをうまく使いつつ、必要最低限の文字とグラフで業績が一目ですぐに入ってきますね。
※株式会社サイバーエージェント 2016年9月期通期 決算説明会資料 抜粋
右から左へプレゼン資料の鉄則をもちろん踏襲しつつ、before/afterが非常に分かりやすく、こちらも事業の方向性を一目で可視化できるので非常に分かりやすいですね。
全体的に文字の大きさが絶妙で、なによりもこの文字フォントが個人的に好きです。
ちなみに私はサイバーエージェント出身ではありません。
株式会社アドウェイズ 決算資料
アドウェイズさんの決算資料は見せ方はもちろんですが、この派手なデザインが特徴的です。プレゼン資料として良いか悪いか賛否が分かれそうですが、インパクトも大変大事な要素の一つなので、その点ではいいかもしれません。
※ 株式会社アドウェイズ 平成28年3月期 決算説明会 抜粋
グラフなどもキレイでかつ文字量も適切であり、上記のような各プロダクトがどのような連携をして、どのような立ち位置にいるかの図ですが、汎用性の高いつくりなので、これも参考になりそうです。
ヤフー株式会社 決算資料
ヤフーさんはとにかくシンプルでかつ1ページ1コンテンツを忠実に守っているので、ページごとにインパクトがあります。
※ヤフー株式会社 2015年度第4四半期および通期 抜粋
伝えたいことを1ページずつに分けることで、伝えない内容を表現するスペースも大きく、特に文字を効果的に使っている資料です。
個人的には上記の2枚のスライドのように、グラフで視覚的に伝えつつ、文字で畳みかけると非常に分かりやすいですね。
株式会社リブセンス 決算資料
アルバイトの「ジョブセンス」で有名なリブセンスです。
Google様の一振りでSEOがかからなくなり、一時は危機的な状態になったリブセンスですが、決算資料は1色で統一したつくりで、非常にスタイリッシュです。
各プロダクトをカテゴリ別に小分けにしてトピックスを記載するこのスライドは、非常に汎用性が高くて普段の資料にも使えそうです。
※株式会社リブセンス 2016年12月期 決算説明会資料 抜粋
棒グラフと円グラフを使うことで、量と種類の両方を一度に説明できるため、この使い方も参考になりますね。
リブセンスは本当に色の使い方が素晴らしいです。
楽天株式会社 決算資料
こちら楽天市場で有名な楽天ですが、楽天市場のようなどぎつい感じではなく、割と全体的にスタイリッシュです。
※楽天株式会社 2016年度通期及び第4四半期 決算説明会 抜粋
全体的にそうですが、棒グラフの縦目盛りがないので、量的にはどの程度伸びているのかがちょっとわかりにくいですが、逆に微増程度でグラフ的に動きが見ずらいような結果の時にきれいな右肩上がりに見せることのできる作り方なのです。
ちょっとズルいですが、自分が見せたいグラフを作るときはこの目盛りを消して作る方法はいいと思います。
株式会社スタートトゥデイ 決算資料
スタートトゥデイはあの有名なファッションモール「ZOZOTOWN」を運営しています。
さすがアパレル系というだけはあるデザインや色合いが光っており、タイトルの文字色がまずかっこいいですね。
※株式会社スタートトゥデイ 平成28年3月期 通期決算説明会資料 抜粋
一般的なグラフが多くて文字少なめの大変見やすい決算資料です。
個人的に参考になったのは、3スライド目の円グラフで各プロダクトの関係を表した図で、ほかの会社のスライドではあまりない表現の仕方です。
この場合はモノが流通することから右から左に一方通行ではなく、一周して戻ってくる流れなので、円グラフなんですね。
株式会社デジタルガレージ 決算資料
デジタルガレージはサイバーエージェントのような広告代理店という一面がありながら、国内外の様々な企業に投資をするような、投資会社的な一面も持っています。
プレゼン慣れをしている代理店だからなのか、サイバーエージェントに次いで見やすいと思えるような決算資料です。
上記のトライアングルと台形の図をうまく使って、会社の事業の柱を3本表現しています。
※株式会社デジタルガレージ 2016年6月期 決算説明会 抜粋
このグラフと文字をうまく使っている評も見やすくて、ヤフーさんと同じようにグラフで視覚的にとらえさせつつ、文字で一気に印象をつけさせており、非常に参考になります。
インターネット業界外
株式会社リクルートホールディングス 決算資料
日本一と言われた営業力を持つリクルートホールディングス。
事業ドメインが多岐にわたるため必要最低限の内容を1スライドずつちりばめており、トピックスが非常に多くなってしまうプレゼンの資料に参考になると思います。
※株式会社リクルートホールディングス 2016年3月期 決算資料 抜粋
すべての事業ドメインでほとんど同じフォーマットを使って表現をしているため、全く違う魚種なのですが、内容がすっと入ってくる不思議な資料です。
やはり文字で説明するよりもグラフと数値のこの2つが鉄板であることがよくわかります。
株式会社 資⽣堂 決算資料
いわずと知れた国内最大級の化粧品会社「資生堂」は、そのブランドイメージを決算資料にも非常に強く表しているため、一目で資生堂のなにかであることがよくわかります。
こちらは表やグラフなどとはちょっと違って、表のようなものを使って各地域およびブランドの売り上げ状況を表現しております。本来かなり情報量が多くなりがちな部分ですが、表を使ってうまく表しております。 ※株式会社 資⽣堂 2016年度実績 および 2017年度⾒通し 抜粋
この円グラフはまたわかりやすいです。昨年と比較して円が大きいことで規模が広がっていることも表現できていますし、各領域の割合がどう変化しているかもいっしょに洗わせているため、一目で状況を理解することができます。
野村ホールディングス株式会社 決算資料
国内最大手の証券会社「野村証券」今まで紹介した中では異質な存在で、決算資料にもよく表れています。
※野村ホールディングス株式会社 2016年3月期第4四半期 決算説明資料 抜粋
ほとんどのスライドは上記のようになっており、情報が1スライドに集約をしております。
おそらく手元に配る資料だからか、1スライド1コンテンツの法則がないですが、情報自体はよくまとまっており、かつ整理されていて、これはこれで宮須かもしれないです。
ブックオフコーポレーション株式会社 決算資料
中古事業を展開する「ブックオフコーポレーション」
割とITとは遠く離れており、あまりスタイリッシュな感じがしない企業ですが、ここの決算資料は結構きれいにまとまっていますし、なによりも普段使いやすいお手本のような決算資料です。
上記のマトリックスは汎用性が高く、皆さんもよく使いそうですね。
コンテンツ内の情報を色で整理しているのでそこもわかりやすく、このスライドは普段のプレゼン資料にすぐにでも取り入れられそうです。
※ブックオフコーポレーション株式会社 2016年3月期 決算説明資料 抜粋
上記のまとめ的なスライドもよく使いそうですね。色合いなどもキレイです。
株式会社カカクコム 決算資料
価格.comで知られる「カカクコム」ですが、非常に高学歴の人が多いということもあってか、ここもきれいにまとまっています。
グラフと文字はよくありましたが、このようにプロダクトの画像などを使って1スライドにまとめると、何の話をしているかもすっと入ってくるので画像などは使えるなら使ったほうがいいですね。
※株式会社カカクコム 2017年3月期第3四半期決算説明資料 抜粋
上記も今までご紹介してきたスライドと似ておりますが、文字の向きがちょっと変で一見違和感ありますが、記載している「価格.com」「食べログ」のどちらも知名度があるため、文字向きにかかわらず何の話をしているかわかるため、カカクコムならではですね。
株式会社オリエンタルランド 決算資料
言わずと知れたディズニーランドの運営会社「オリエンタルランド」
以外にデザイン性はちょっと古い感じのプレゼン資料です。
なんといっても目玉はビジュアルなので、文字やグラフではなく、一スライド全部を画像にするほうが伝わりやすいので、このような大胆な表現も時と場合によってはいいですね。
※株式会社オリエンタルランド 2016年度の決算資料・決算説明会 抜粋
もちろん上記のような一般的なスライドもあり、こちらも文字量が適切でかつ、グラフなどを使って視覚的にもわかりやすいつくりですね。
いかがだったでしょうか。
営業資料などのプレゼン資料を作る際に、非常に参考になるスライドが多かったと思います。
プレゼンが近い皆様頑張ってください!
また決算資料を見る上で以下の本は非常に勉強になるので是非合わせてご確認ください。