転職をする上で、転職エージェントはなくてはならない存在になっていると思います。加えて、孤独な転職活動を支えてくれる頼りになる存在でもあります。
ただ、そんな転職エージェントにも悪い評判と良い評判があります。特に悪いものは転職活動を台無しにしてしまい、その後の人生をも変えてしまうような悪質なところもあります。
今日は、過去200人近くの転職エージェントを使った人の評判やクチコミから「悪い評判」ピックアップし「こんな転職エージェントに出会ったら、すぐに使うのを辞めた方がいい」という特徴などをご紹介します。
そもそも、なぜ転職エージェントの悪い評判はなぜ発生するのか
転職エージェントというサービスがこれだけ発展している昨今、なぜ悪い評判の転職エージェントが淘汰せずに残っているのでしょうか。理由はたくさんありますが、私は2つあると考えています。
理由① サービスレベルは人(担当者)に大きく依存するため
人手不足など社会の構造的な課題も影響する反面、もっとも大きいのは理由は、
「転職エージェントのサービスレベルは人(担当者)に依存する」
からです。良い人もいれば嫌な人もいますし、細かい人もいれば大雑把な人もいます。このように転職エージェントを使う求職者と、求職者の転職をサポートする担当の人同士の相性によって良い悪いがコロコロ変わってしまいます。
他では良い評判があった担当の人が、別の人を担当した際に悪い評判が出るなど、真逆の評価をされてしまうことも頻繁に発生しています。
理由② 売上目標(ノルマ)があり、売上=成果(採用)報酬なため
もう1つの理由は、転職エージェントのビジネスモデルにあります。転職エージェントは、求職者からお金を貰わないかわり、転職エージェントから紹介して採用した企業からお金をもらっています。このお金は「採用した人の年収の30%」が相場となっているため、転職エージェントは、紹介した人が採用されない限り、売上が発生しません。
加えて、転職エージェント側は基本的に「月次(月ごと)」に「売上目標(ノルマ)」を課せられているため、売上目標達成のために
「自分が担当した人が、自分の紹介した企業に入社欲しい」
と考えてしまうことが多々あります。
もちろん全ての転職エージェントが、売上至上主義なわけでもないですし、求職者のキャリアを考えて動いてくれます。ただ、こういった構造になっているため、時に強引な転職エージェントが現れて、評判が悪くなるケースがあります。
ここからは、本題である評判の悪い転職エージェントの特徴をご紹介します。
評判の悪い転職エージェント 「完全NG」な特徴
完全NGな特徴(1) 「求人をお気軽に応募させようとする」
まず「とりあえず応募しましょう」と安易にすすめてくるところは要注意です。理由は様々ありますが、1番は本当に行きたい会社へ使える時間が減るという理由です。
基本的に転職活動は在職中にする人が多く、そのため面接など転職活動自体に費やせる時間には限りがあります。もちろん書類選考などで落ちてしまう可能性もあるので、エントリー自体多くすることが必ずしもNGな訳ではないですが、いざ面接フェーズになった際に「1社受けるための準備時間」はかなりかかります。
そのため安易に応募をするのは、その後の自分を苦しめる行為にもなるので「とりあえず応募」という軽い雰囲気で勧めてくる転職エージェントは注意してください。
(なぜ)気軽に応募させようとする理由
転職エージェントのビジネスモデル上「採用」されないとお金が入ってきません。加えて、転職エージェント側には過去の実績から、
「何社応募すると何社面接に至り、何社内定が出る」
という率を把握しているため、内定を取るために、この目標応募数をみている可能性が非常に高いです。
書類通過率:応募数に対して「25%」
内定率:書類通過数に対して「20%」
→この場合、内定獲得には「20件応募」が必要。
もしそうだとすると「あなたのため」ではなく「自分のため」に動いている可能性があるので、しっかり見極めてください。
完全NGな特徴(2) 「内定が出た会社をごり押ししてくる」
評判の悪い転職エージェントで、最も悪名高いのが「内定が出た会社をごり押ししてくる」です。もちろん、あなたの市場価値やキャリア志向を考えた上でごり押ししてきている可能性も大いにあるので、その点見定める必要があります。ただ、あなたにごり押しをしてくるタイミングがその会社の「決算月近く」であったり、月末に近い場合はかなり注意が必要です。
リクルートエージェント:3月末
マイナビエージェント:9月末
DODA:3月末
JACリクルートメント:12月末
type転職エージェント:9月末
(なぜ)内定が出た会社をゴリ押しする理由
これも転職エージェントのビジネスモデルが理由です。転職エージェントの担当は「月間の売上目標」を追って仕事をしており、その売上目標の達成次第で、ボーナスや昇給などが決まります。この売上のカウントに入れるためには、採用をされる必要があるので、
「今月あと100万円で目標達成でボーナスが上がるから、Aさんをどうにか内定承諾してもらわないと」
と言った心理がどうしても働いてしまいます。そのため、内定が出た会社をごり押ししてくるのは「あなたの為」を思っていない可能性もあるので注意してください。
完全NGな特徴(3) 「最初の面談でカウンセリングがない」
転職エージェントは、よほど郊外に住んでいない限り「対面」で面談をしてくれます。その際に、転職の動機や、今までのキャリア、これからのキャリアなど、いわゆる「キャリアカウンセリング」をしてくれます。それを受けて求人の紹介をしてくれます。注意すべきなのは
(2) 遠方でもないのにキャリアカウンセリングが「対面」ではなかった(電話等だった)
というケースです。
「(1)」のケースの場合は、一刻も早く「その転職エージェントを使うのを辞める」ことを強くおすすめします。キャリアカウンセリングなしだと、あなたの希望などがほとんど反映されず、転職エージェント側が「紹介したい求人」がたくさん来てしまうので、せっかくの転職エージェントの良さが皆無になります。
「(2)」のケースは、その担当者がめんどくさがっている、もしくは忙しいからなど理由はあるかもしれませんが、避けた方がいいと思います。
(なぜ)最初の面談でカウンセリングがない理由
どちらも転職エージェント自体に問題がある可能性もあり、その場合は論外です。
それ以外でよくある理由が
「その転職エージェントとあなたがマッチしていない」
ので、対応が悪くなっている可能性があります。分かりやすい例でいうと、少しハイキャリア寄りの転職エージェントに「第二新卒」に当たる人が登録してしまうと、その転職エージェントが持っている求人とのマッチ度が低く、良いサービスが提供できないため、塩対応をされてしまうケースがあります。そのため、どちらのケースであっても、あなたにとってプラスに働くことはないので、いますぐその転職エージェントを使うのは辞めた方がいいと思います。
評判の悪い転職エージェント 「人によってNG」特徴
人によってNGな特徴(4) 「連絡時のレスポンス(返信)が遅い」
転職エージェントとは、初回の面談以外「メール」などのやりとりがメインで、メールの内容を細くするために「電話」をする程度になります。このメールのレスポンス(返信)が数日おきにしか返してくれないなどの人がいます。
人によっては、一度のメールに情報を集約することで、数日おきにメールが来てくれれば十分という人もいますが、いざという時に、すぐ連絡がつく転職エージェントでないと、困る場面が多々あります。
転職活動は、長期間になればなるほど、自身のモチベーションもそうですし、求人に応募するタイミングや、辞めるタイミングを逃す可能性があり、できる限り短期間で行うべきです。そのため、レスポンス(返信)が遅い人とやりとりすることで、転職活動がダラダラと長期間やるものになってしまうため、こういった転職エージェントはやめたほうがいいと思います。
(なぜ)連絡時のレスポンス(返信)が遅い
転職エージェントも、人なので「対応できるキャパ(作業量)」に制限があります。そのキャパを有効活用するために「より良い顧客(売上が上がるタスク)」を優先して行います。そのため、元々連絡などがルーズな人ではない限り、この優先順位づけにおいて、低い位置づけをされてしまい、連絡を後回しにされている可能性が高いです。
特に「繁忙期(1月〜3月)」には起きやすいため、ある程度致し方ないことですが、優先順位が低くなるということは、その転職エージェントと自分がマッチしていない可能性もあるので、やはり他を使うことを検討することをおすすめします
人によってNGな特徴(5) 「紹介される求人の数が少ない」
せっかく転職エージェントに登録したのに「紹介される求人が少ない」というのは、悪い評判の中で数多く聞く声です。これも人によるのでなんとも言えないですが、評判の悪い転職エージェントでよくあります。
いくつか傾向があり、
・あなたの希望がうまく伝わっていなくて、求人を選ぶ基準を間違えている
・キャリアコンサルタント(担当)が、希望の求人を自社が持っていることを知らない
などの傾向があり、しつこく聞いて追加が出てこない場合は、他の転職エージェントを使うことをおすすめします。
考えれば当たり前ですが、転職エージェントの担当者の解釈次第で、どの求人を提示してくるかが大きく変わってしまいますし、転職エージェントごと、持っている求人自体が違うので、出てくる求人が違います。このようなケースはどのような経歴の人でも起きるので、転職エージェントは必ず複数使うわないとダメです。
(なぜ)紹介される求人の数が少ない理由
傾向によって理由は違いますが、2つあります。
1つ目は、キャリアカウンセリングの能力が低い場合、傾向にある「求人を選ぶ基準を間違える」というのはよく起きます。これは若手のキャリアコンサルタントや、得意領域ではない領域の話をされた際に発生します。
2つ目は、出し惜しみをしている傾向の場合で、これは少し悪質です。転職エージェントから求人を持っている企業に求職者を紹介する場合、転職エージェントから「推薦」という形式で登録者は紹介され、面接を受けます。仮にこの「推薦」された人が、何回も連続で「満足度の低い人」だった場合、企業はその転職エージェントを「ダメな人を紹介してくる会社」という認識をします。
ちなみに
「XXの転職エージェントが紹介する人は、いつもいい人だから優先的に選考に進めている」
といった逆ケースも存在するので、転職エージェントがあなたを紹介したくないので、あえて求人を出していない可能性があります。下記記事の通り、転職エージェントからの悪い印象を持たれないように、最初の面談などは注意が必要です。
人によってNGな特徴(6) 「メールや電話がしつこい」
「④レスポンスが悪い」と逆特徴です。どういった状況かというと
・書類などの提出期限がタイトで、リマインドのメールが非常に多い。
・転職活動の状況などを非常に細かくメールで聞いてくる。
といった状況です。
人によっては「気にかけてくれている!」という印象を持ったり、こまめにリマインドされることで、転職活動のモチベーションを維持できるなど、プラスに感じるかもしれません。ただ、自分のペースで転職活動をやりたい人や、そもそも無駄に連絡がくるなどがうざい、特に業務に支障が出る連絡が多いなどは、デメリットでしかないと思います。こういうキャリアコンサルタント(担当)は相談しても改善が難しいため、担当を変えてもらうか、他の転職エージェントを使うことをおすすめします。
(なぜ)メールや電話がしつこい理由
登録者(あなた)に問題があるケースと、キャリアコンサルタント(担当)に問題があるケース2つあります。
転職エージェントのサービスは、基本的に登録してから3ヶ月〜最長6ヶ月ほどで利用を終わる人がほとんどです。加えて、内定をもらえずにサービスを利用しなくなる(フェードアウトしていく)人の傾向として、登録した1ヶ月の動きが悪い人が多いです。そのため登録当初の動きが悪い人に対して、連絡が非常にこまめにきてしまうのは仕方がないのです。
ただ、登録者に問題がないのに、この状況が発生している場合、キャリアコンサルタント(担当)の性格が細かい人だったり、売上が足りなくて焦っているケースがあります。これはすぐに担当を変えてもらうか、他転職エージェントを使うことをおすすめします。
人によってNGな特徴(7) 「希望条件ではない求人を提示される」
転職エージェントに登録後、キャリアカウンセリングをされると思います。そのキャリアカウンセリングにて「転職先に求める希望条件」を話して、基本はその条件に合致するところを紹介されるのですが、そうならないケースがあります。
どういった内容かというと
・求人票の必須条件が高すぎて、自分が全く当てはまっていない求人を紹介される。
・急募、明らかに大量募集をしていそうな“内定が取りやすい求人”を紹介される。
他にも様々な特徴がありますが、主に上のいずれかに当てはまると思います。
必ずしも希望条件ではないから、NG特徴とはならず、人によっては「自分の気付かない視点で求人を紹介された」という風に捉えるケースもありますし、転職エージェント側がキャリアを考えて「あえて希望条件を外している」といったケースもあります。そのため、なぜこの求人を紹介されたのか必ず聞いて判断をしましょう。
(なぜ)希望条件ではない求人を提示される理由
こちらもキャリアコンサルタント(担当)に問題がある場合と、登録者(あなた)に問題がある場合があります。
まず、登録者(あなた)に問題がある場合は、希望している条件が高く、あなたのキャリアでは残念ながら応募できるところがないため、優しく希望条件をずらして案内しているケースがあります。良いキャリアコンサルタントであれば、その旨正直に教えてくれるのですが、状況によっては言えずにいることがあります。
もう1つキャリアコンサルタント(担当)に問題があるケースは、売上を伸ばしたいがために”内定が出やすい求人”を提示している可能性があります。このケースだった場合は非常に悪質なので、説明した通り、しっかりと紹介の意図を確認してください。
評判の良い転職エージェントの特徴とは
基本的に上記のような特徴がない転職エージェントであれば問題ないですが、特に次の特徴に当てはまる転職エージェントは絶対に信頼して問題ないです。
信頼できる特徴① 面接が終わったとに御礼状を送ることを進める
かなり古典的なことなので、やらないからダメということではないですが、最終面接を終わった後に企業へ「御礼状」を送ることが、最後少しだけ後押しになることがあります。正直転職エージェント側も面倒な作業のようで、私はあまりこの方法を勧められたことがなかったのですが、ある信頼できる転職エージェントの方はこの方法を教えてくれました。
もちろん「根性論」ではないのですが、どれだけ自分の転職活動に対して、本気でやってくれるかを測る指標として、こういった行為で少しでも内定の確度を高めようとしてくれる姿勢があるとより信頼してもいいと思います。
信頼できる特徴② 現職に残る選択肢と合わせて考えてくれる。
転職活動で最も大事なのが「転職をする」ことがゴールであり、目標になってしまうことです。ゴールは「転職をする」ことではなく「より望ましい仕事をする」ことにあります。そのため、転職理由によっては「現職に残る」という選択肢が、転職先の企業と同じレベルで扱われるべきです。
なんども説明した通り、キャリアコンサルタント(担当)は登録者(あなた)に転職をしてもらえないとタダ働きになるので、どんな良いキャリアコンサルタントでも、出来れば転職をして欲しいと思っています。ただ、ここで登録者目線にしっかり立てる「良いキャリアコンサルタント」であれば、場合のよって転職をやめるべきというアドバイスをくれます。そのためこのような特徴の担当に巡り合えたら、気持ちをしっかりぶつけてより深い相談をすることをおすすめします。
転職成功者は転職エージェントを平均「4.2社」活用
今までお話しした通り、評判の悪い転職エージェントにめぐり合う可能性があるため、転職エージェントは必ず「複数」登録をする必要があります。
さらに転職エージェントというのは会社ごと特徴があるため、その特徴に合わせて転職エージェントを選ぶ必要があるので、基本的に複数登録する人が多く「平均4.2社」と言われているため、4社以上は登録したほうがいいと思います。
評判の良いおすすめ3つの転職エージェント
最後に過去200人近くの口コミを分析した結果、私なりにおすすめできる転職エージェントをご紹介します。